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建築家の家
■「建築家の家」訪問Vol.2〜『安藤忠雄と世界建築』

pic■打ちっ放しのコンクリートが思考を刺激する
元キックボクサー、独学で建築を学び、世界各地の著名建築を手がけた高卒の東大教授。過去にイェール/コロンビア/ハーバード各大学客員教授を歴任し、1995年には建築界のノーベル賞といわれる「ブリッカー建築賞」を受賞。まさに異色の経歴を持った世界的な建築家・安藤忠雄氏(1941〜)は、実際の建築設計においても特異な才能を発揮してきました。

彼の代表的建築のひとつは、大阪府茨木市にある、通称「光の教会」(1989)です。打ちっ放しのコンクリートに覆われた小さな教会ですが、一歩足を踏み入れると、十字に切り取った壁面から外光が差し、文字通り「光り輝く十字架」が、見る者を思わず敬虔な気持ちにさせます。

打ちっ放しのコンクリートは、安藤氏が多用する手法です。彼はその理由をこう語ります。「建築とは、その時代の材料を使って作るもの。コンクリートは20世紀の材料。もうひとつは肌合い。突き放すように冷たく強い素材で、包み込むような優しい空間をいかに作れるか。そういう材料を使うことによって、まず住む人が考える。『どうかなあ、これ』と。その、考える場を作ることが建築だと思う」

多発テロで崩落したニューヨーク世界貿易センター跡地利用をめぐり、米国建築界で議論百出する中、安藤氏は「地球の一部をイメージした緑の“円墳”」というユニークな案をまとめました。経済社会の象徴を復刻するのではなく、犠牲者の追悼とともに人類共存を訴えたいという意図が感じられます。「高層ビル街にこれだけの“無”の空間があれば、もう一度、人々に何かを考えさせる場になるのではないか」と語る通り、時代の推移とともに手法は変化しても「住む人・利用する人に考えさせる建築」が、安藤氏の基本理念であることに変わりはないのです。

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