■「建築家の家」訪問Vol.1〜『偉大なる巨匠・ガウディ』
■肉が溶けて流れ落ちるような外観
スペインのバルセロナにあるアパート「カサ・ミラ(ミラの家)」は、世界的に有名な建築家であるアントニオ=ガウディ(1852-1926)が設計したものです。六階建ての集合住宅で、現在は一階と中二階が店舗と事務所になっています。一つとして同じ形の窓はなく、建物全体がくにゃりとした灰色の曲線でできています。思わず目をそらしたくなるようなグロテスクな外観ですが、よく見ると、石という無機質な素材を使っていながら、有機的・生物的な存在感を表現したガウディの才能に、あらためて胸を打たれることでしょう。
日本のいくつかの美術大学の中には建築学科があります。このことからも、建築家という仕事がデザイナーとしての側面が非常に強いということがうかがえます。
■設計図のない教会
ガウディといえば、サグラダ・ファミリア教会を建築したことで有名です。誰でもきっと一度は、灰色の恐竜のようなあの巨大建築を見たことがあると思いますが、実はこの教会はまだ建築途中なのです。現在出来上がっているのは外壁と、生誕(東面)と受難(西面)の二つのファサード、そして8本の尖塔だけです。
ガウディが市街電車にはねられて死んでから70年以上の年月が経っていますが、この教会の完成まではあと100年か200年はかかると言われています。なぜなら人々の浄財のみで建設されているので、工事がしばしば中断されているからです。
これだけの巨大建築の設計を担当しながら、ガウディは設計図というものを作りませんでした。彼の意志を受け継いだ優秀な職人たちが、今も活躍しているのです。あなたもぜひ一度、ガウディの建造物を訪ねてみませんか。実際に目の当たりにしてみると、思いがけない発見と感動があるかもしれません。
■Next issue
「建築家の家」Vol.2〜安藤忠雄の建築
LivingノートTOPへ
■バックナンバー
|1|
2
|