[犯罪は心理作戦]
■防犯に対する考え方
どんなことであれ「完全」に行うのは困難です。特に防犯はその最たるもの。「完全防犯」ということは、ほとんど不可能と考えてよいのではないでしょうか。どんなに防御したつもりでも、狙う側はスキを探すものですし、今スキがなくても、気長に油断やスキが生じるのを待つことができるからです。
しかし犯罪を行う側としても、できれば不要なエネルギーは使いたくないでしょう。したがって、困難な状況を作ることこそ防犯の基本といえます。「不落」の城でなくとも「難攻」と思わせれば、かなりの効果は期待できるのです。つまり防犯は物理的な設備だけでなく、心理的な方法も効果があるということです。
■万引きを予防するための業界の取り組み
万引きに手を焼くコンビニエンス・ストアなどでも、被害を最小限に抑えるため「やりにくさ」の演出に力をいれています。そこで、防犯カメラの設置や、売り場の死角をなくす鏡といった、いかにもそれらしい設備だけでなく、さまざまな工夫が重ねられてきました。
狙われやすい商品の売り場に、やや強めのスポット照明をあてることもその一例です。ライトは商品をよく見せるだけの目的ではありません。いくらゲーム感覚でも、スポットライトを浴びながらでは万引きもやりにくいもの。実際に、照明を変えただけで被害件数は減ることがあるそうです。
防犯は心理作戦でもあるということを知ると、考え方に幅が出てきます。「抑止」という観点からみれば、商店街などでよく見かける「警察官立ち寄り所」の看板にも効果はあることがわかります。一見無意味に思われますが、警官という文字が目に入るだけで多少はブレーキが掛かるに違いありません。この「多少」が心理的な抑止効果なのです。
■Next issue
防犯・セキュリティVol.2〜犯罪の手口と防犯対策
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